トラウマ(心の傷)とは?
トラウマ(心の傷)とは何でしょう?
辞書には下のようにあります。
・身体への傷、または精神面あるいは感情面に長期的被害をもたらす出来事(心的外傷)
(出典:Weblio辞書)
ここでは、心的外傷によって発生した感情が結晶化した、「心の傷にまつわる想い」と「満たされなかった想い」として扱います。
そしてそれには、次のようなものがあります。
・インナーチャイルド: 乳児期から成人までにおけるトラウマ
・バーストラウマ: 出生時(胎児期〜生後3ヶ月程度)におけるトラウマ
・過去生トラウマ: 過去生(前世やそれ以前の生)におけるトラウマ
1. バーストラウマ・インナーチャイルドに気づき、癒す
インナーチャイルドとは?
インナーチャイルドは、乳児期から成人までの期間において、傷ついた出来事や満たされなかった欲求が主な原因になっています。
例えば、以下のような要因が挙げられます。
- 家庭内暴力を受けたこと。
- いじめを受けたこと。
- 求める形で親からの愛情を得られなかったこと。
- 兄弟姉妹の存在により、親の愛情が減ったと感じたこと。
- 親などの状況により、家庭が安心していられる場所ではなかったこと。
- 自分のペースより、早く成長を求められたこと。
- 納得のいかない形での親との別離。
- 恒常的に否定されたこと。
- 「ダメ」という言葉を頻繁に使われたこと
- 学力=存在価値と刷り込まれたこと。
- 存在価値を否定されるような教育を受けたこと。
インナーチャイルドは、潜在意識領域の比較的深い部分に存在し、日常的に影響を与えています。
主な影響は、感情の波や情緒不安定を生み出し、聞き分けの悪い子どものような思考パターンやふるまいをさせます。
そのため、このような影響が出ている大人を、アダルトチルドレンと呼ぶこともあるようです。
このような特徴から、社会性や人間関係の構築に問題が出たり、自己の内面における大きな葛藤を生み出したりもします。
また成長過程において形成されるため、自分の人格の一部としてとらえてしまうことが一般的なようです。
バーストラウマとは?
バーストラウマとは、出生時(胎児期から生後3ヶ月程度)における心の傷のことです。
以下のような理由により発生すると言われています。
- 現代医学に基づいた出産法をとること
- 生まれてすぐに、赤ん坊が新生児室に連れて行かれ、一定期間、そこで過ごすこと
- 生後から3ヶ月間、母親があまり抱いてやらないこと
- 赤ん坊がおなかにいる時、母親が強い肉体的・精神的苦痛を受けていること
- 陣痛促進剤などをもちいていること
- 帝王切開・吸引分娩などで生まれていること
- 陣痛や出産が始まることにより、へその緒からの酸素と血液が途絶え、赤ん坊が酸欠状態になり、死の恐怖を覚えること
- 難産などで、赤ん坊が蘇生処置を受けていること
- 笑気ガスやモルヒネを出産時に用いていること
- 母親の心音を聞かせてやらない形で赤ん坊を抱き続けること
- 母乳をあまり飲ませなかったこと
バーストラウマを持たない出生方法(水中出産など)の研究も進んでいるようですが、今のところ「0」の状態で生まれることは不可能なようです。
バーストラウマの弊害は、これらの経験により、死の恐怖や疎外感を体験し、「自分は生まれてきてはいけなかったのではないか?」、「生きていてはいけないのではないか?」などの、自分の存在を否定する情報を潜在意識領域の奥底に持つようになることです。
その結果、本人が予期しない人間関係・健康・お金などの現実的な問題や、精神的な問題となって影響が出てきます。
バーストラウマが大きいと、ちょっとしたことでも傷つきやすいため、インナーチャイルドもまた大きくなりやすい傾向があります。
バーストラウマ・インナーチャイルドの性質
バーストラウマやインナーチャイルドは、感情が液体とすると、固体のような性質があります。
固く安定した状態で存在し、刺激されるたびに、感情(の波)を生み出し続けます。
そのため、過去の「心の傷にまつわる想い」と「満たされなかった想い」を常に抱えたまま、生きることになってしまいます。
そのためバーストラウマ・インナーチャイルドは、自分らしく生きることへの主たる阻害要因となっています。
バーストラウマ・インナーチャイルドの影響に気づく方法
そこでここからは、その影響に気づく方法について書いていきたいと思います。
例えば、幼少期に親から理解されなかった悲しみが、インナーチャイルドとして残っていたとします。
しかしそのことは記憶の奥底に眠っていて、忘れ去られています。
そしてなぜか、自分は人から理解されない、という自己否定を持っています。それにより、人間関係がうまくいきません。
この時に、それがインナーチャイルドの影響であるということに気づくことができれば、「自分は人から理解されない」ということが真実ではないことがわかり、そこから抜け出す糸口を見つけられるかもしれません。
また、インナーチャイルドを癒す入り口にも立てるかと思います。
ワークを通して気づく
そのための方法として、簡単なワークを紹介します。
例えば、親に似たタイプの人と接すると、「自分は理解されない」と感じて怒りが湧く、というパターンを持っていたとします。
これに関して、成人以降→高校→中学校→小学校→幼稚園→それ以前、など時間軸を逆に振り返っていきます。
そうすると、インナーチャイルドが形成された時の記憶を思い出すかもしれません。
例えば、「中学生の時に先生から理解されず、怒り(と悲しみ)が湧いた記憶」、「小学生の時に親から理解されず、怒られて、悲しかった記憶」、など。
それらを思い出すことにより、親に似た人に怒りを感じていたが、それは八つ当たりであって、本当は過去に親に怒りや恨み、悲しみを感じていた「想い」が残っているのが根本原因、という構造が見えてくるかもしれません。
書籍を通して気づく
また別の方法として、バーストラウマ・インナーチャイルドについて勉強する、という手もあります。
これにより、自分の「想い」について全体的に俯瞰することができるかと思います。
様々な本がありますが、個人的には「五つの傷 心の痛みをとりのぞき本当の自分になるために」という本がオススメです。
自身のからだの特徴から、「心の傷」と「仮面」(本来の自分とズレたセルフイメージ・アイデンティティ)について知ることができます。
また、バーストラウマに関しては、「胎児は知っている母親のこころ 子どもにトラウマを与えない妊娠期・出産・子育ての科学」、「宇宙の神秘誕生の科学 生まれる命が地球を救う」、「胎内記憶 命の起源にトラウマが潜んでいる」辺りがオススメです。
どれか自分に合った本を手にとると良いかと思います。
バーストラウマ・インナーチャイルドを癒す(解消する)5つの方法
また次の段階として、バーストラウマ・インナーチャイルドを癒す(解消する)段階があります。
その方法として、以下の5つの方法があります。
思い出して、向き合って、クリアリングして癒す(解消する)
→ 主にインナーチャイルドの表層
①「心理学的アプローチ」
思い出せる部分しか扱えないが、実感が得られやすい
②「退行瞑想」
事実ではない架空のものを見る可能性があるが、深く思い出せる
微細で良質なエネルギーで、クリアリングして癒す(解消する)
→ インナーチャイルドのみならず、さらに深層(バーストラウマ)まで解消可能
③「修行」
山岳修験などの厳しい修行が必要だが、短期間に改善する
④「瞑想」
一定の効果を得るのに20〜30年必要だが、完全解消が可能
⑤「ヒーリング」
深いため実感が得られにくいが、ヒーリングによっては短期間に、深くまで癒せる
複数の方法を組み合わせて癒す
様々な方法がありますが、実際にはこの中のいくつかの方法を組み合わせて行うのが、現実的かと思われます。
例えば、お釈迦さんは③「修行」と④「瞑想」を行なって、悟りを開いたと言われています。
ここでは、以下の2つの方法の組み合わせについて、簡単にご紹介します。
①「心理学的アプローチ」
「想い」は、「満たされなかった欲求」を核にして、感情が結晶化されたものです。
そのため、記憶を辿ってその感情と向き合い、感じつくし、欲求を見つけ、満たす、というプロセスで解消が可能です。
例えば、インナーチャイルドを内なる子供というイメージで捉え、その感情を感じつくし、対話しながら欲求を満たしていく、などの方法があります。
思い出せる部分しか扱えませんが、実感を伴うため、現実的な変化へとつなげやすい傾向があります。
ただ感情を感じつくすためには、感情と向き合う力が必要です。
そのため、まずは感情のクリアリング*から入り、それがある程度進んでから取り扱うのが現実的かと思われます。
*感情のクリアリングに関しては、下記をご参照ください
3. 感情を知覚して、感じつくし(感じ切り)、クリアリングする
④「瞑想」
「瞑想」に関しては白光(びゃっこう)瞑想がオススメです。
下丹田に白い光の球体をイメージするというシンプルな瞑想です。
また「瞑想」には、バーストラウマ・インナーチャイルドに限らず、エネルギー体をクリアリングする効果があります。
日々のクリアリングとして、習慣化するのがオススメです。
※白光瞑想に関しては、以下の書籍に記載があります
2つの方法を併用して癒す(解消する)
これら2つの方法のメリットを生かすために、以下の様に併用して行うことが有効と考えられます。
①思い出せる部分に関しては、「心理学的アプローチ」で扱う (実感があるため、人生に生かしやすい)
④「瞑想」でさらなる解消を行う (完全解消を目指せる) →思い出せる部分が増える
①、④を併用することで、バーストラウマ・インナーチャイルドの癒し(解消)を、よりスムーズに進めることが可能です。
複数の方法を組み合わせて癒す(まとめ)
ここまで見てきたように、思い出して、向き合って、クリアリングして癒す方法(①心理学的アプローチ、②胎行瞑想)と、微細で良質なエネルギーで(向き合わずに)クリアリングして癒す方法(③修行、④瞑想、⑤ヒーリング)を組み合わせることで、よりスムーズに、バーストラウマ・インナーチャイルドの癒し(解消)を進めていくことが可能です。
2. 過去生トラウマに気づき、癒す
「過去生トラウマ」とは?
過去生トラウマは、過去生(前世やそれ以前の生)における「心の傷にまつわる想い」と「満たされなかった想い」です。
バーストラウマ・インナーチャイルドと異なる点としては、成人以降のトラウマや、死に際でのトラウマも含まれることでしょうか。
例えば、「雪山で死んだ過去生があるため、雪が怖い。」、「津波に飲み込まれて亡くなった過去生があるため、水が怖い。」などのトラウマも含まれます。
基本的な扱い方としてはバーストラウマ・インナーチャイルドと同じですが、さらに思い出しにくいという傾向があります。
そのため、まずはバーストラウマ・インナーチャイルドの解消を進め、それから取り扱うのが基本となります。
「過去生トラウマ」は「バーストラウマ・インナーチャイルド」の根本原因
過去生トラウマが大きいと、ちょっとしたことで傷つきやすいため、バーストラウマが大きくなり、それによりさらに傷つきやすくなるため、インナーチャイルドが大きくなる、という傾向があります。
「過去生トラウマ」 根本原因(魂の課題)
↓ ↓影響
影響 ↓ 「バーストラウマ」 結果(今生の課題)
↓ ↓影響
「インナーチャイルド」 結果(今生の課題)
そのため、バーストラウマ・インナーチャイルドは過去生トラウマと似た性質を持つ傾向があります。
そのようなバーストラウマ・インナーチャイルドに取り組むことにより、同時に過去生トラウマという、魂の課題(何度もの過去生で克服できなかった「魂の傷」)に取り組むことが可能です。
おそらく、そのために最適な親を選んで(約束して)、生まれてきていると考えられます。
そして、うまく過去生トラウマの解消が進むと、魂レベルでの成長が進み、来世はトラウマ(心の傷)の少ない状態からスタートすることが可能です。
関連記事
理解編
1. 自己成長について
2. ネガティブな(不要な)観念をゆるめ、手放し、制限を外す(初級)
3. 感情を知覚して、感じつくし(感じ切り)、クリアリングする(初級)
4. 心の傷(バーストラウマ・インナーチャイルド)に気づき、癒す(中級)
5. エゴ(自己防衛本能)をゆるめ、手放し、自分の枠を広げる(上級)
実践編
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