感情とは?
感情とはなんでしょう?
辞書にはこのようにあります。
物事に感じて起こる心持。気分。喜怒哀楽などの気持。
特に心理学では、意識の主観的側面、感覚や観念に伴って起こる快、不快や情緒、情操の状態をいう。
(出典:コトバンク)
感情は、体の部位としては胸に当たります。
感情には本来、心を伝える媒質、自分を動かすブースターといった性質があります。
それは「喜び」について考えると、わかりやすいかと思います。
心が喜んでいることが伝わり、行動へと結びつき、自然と消えていきます。
しかし、「怒り」「悲しみ」「怖れ」「不安」といったネガティブな感情の場合、そう上手くはいかないのではないでしょうか?
何らかの抑圧がかかったり、あふれた感情に呑み込まれ、言動が左右されたり、飲み込まれた状態が何日も続くこともあるかと思います。
多くの場合、インナーチャイルド(乳児期から成人までにおける「心の傷」や「満たされなかった想い」)が蓄積するに従い、感情を扱うことが困難になり、どこかで閉じることを覚えます。
そのため、感情を感じることよりも、感情を抑圧することが主となっていきます。
そして、大人になる頃には、感情に蓋をするエキスパートになっている一方、感情を感じることに関しては、ほとんど力がない状態になっています。
そのため、少しづつ感情を感じるリハビリをしていく必要があります。
これは、脚の怪我をして入院していた後、少しづつ歩くリハビリをしていくことと似ているかもしれません。
その一歩目となる、感情を知覚する(感じる)方法について、見ていきたいと思います。
感情を感じ、癒す(クリアリングする)方法
感情を知覚して、感じつくす(感じ切る)
①感情を知覚しよう(感じよう)とする
多くの場合、感情に蓋をしているため、感情が蓄積して、あふれてから初めて感情を知覚します。
普段から主体的に知覚しよう(感じよう)とすることにより、蓄積する前にとらえることができるようになります。
そして、感情を知覚したら、それを感じ続けます。
そうして、感じつくす(感じ切る)ことができると、感情は自然と消えていきます。
練習としては、「怒り」「悲しみ」「怖れ」など、どれか一つの感情に絞って知覚しよう(感じよう)とすると、感覚がつかみやすいかと思います。
②水を飲む
水にはエネルギーを保持する性質があります。
そのため、質の良い水(浄水器を通した水やミネラルウォーター)を、常温や白湯で摂取することにより、エネルギーの補給や、不要なエネルギーの排出が行えます。
目安としては、2L/1日の水(適量は人・環境に寄ります)を飲むと、感情(というエネルギー)を感じるベースが整うように感じます。
③動く速度を落とす
例えば高速道路を運転している時、追越車線で運転していると、刺激が多過ぎて怖れを感じるのが難しくなるかと思います。
感情的に不安定になると危ないため、いつの間にか感情を切ってしまうかもしれません。
その時に走行車線に移り、速度を80km/h程度に落とすと、刺激が少なくなり、怖れを普通に感じられるようになるかと思います。
日常の行動でも、意識的に少しゆっくり動くことで、感情を知覚し(感じ)やすくなります。
④止まる
さらに刺激を少なくします。
行動を止め、何もしない、もしくは他のことをします。
高速道路で例えると、サービスエリアで休憩するイメージです。
運転中に怖れが蓄積していたとしても、休憩しているうちに、その分が感じられて、軽くなるかと思います。
⑤目を閉じる
視覚を閉じて、さらに刺激を少なくします。
例えば、椅子に座って、目を閉じてボーッとしていると、自然と感情がクリアになっていくかと思います。
⑥距離を離す
近くにあると怖いものでも、遠くにあるとそんなでもないかと思います。
それを利用して、対象から物理的に少し距離を離すことで、感情を感じやすくさせます。
例えば本を読む時、抵抗でどうしても読めない文章があったとします。
その時に距離を離すと、読みやすくなったりします。
人や物との距離を少し取ることで、感情が楽に感じられることがわかるかと思います。
腹式呼吸をしながら行うと、よりやりやすいかと思います。
また、その応用として、感覚やイメージの中で距離を離すという方法もあります。
これは、物理的に距離を取れない場合に、特に有効かと思います。
また、感じていることや想っていることを紙に書き出す、という方法もあります。
これは、感覚やイメージを紙に書き出して、物理的に距離を離す、という、合わせ技のような方法になっています。
リアルタイムで感情を知覚して、感じつくす(感じ切る)
例えば、運転中に左折する時、巻き込み確認が怖かったとします。
怖れがあふれてしまうと危ないため、いつも感情を切って左折しています。
その時に意識的に速度を落とすと、怖れをリアルタイムで感じられるようになります。
それを繰り返していると、感情のクリアリングが進み、やがて速度を上げても、感情を感じながら左折できるようになります。
このようにして、日常の中でリアルタイムで感情を感じる割合を、少しづつ増やしていきます。
またそれをすることにより、少しづつ感情を感じる力がついてきます。
感情は心を伝える媒質であるため、これは自分(の心)と向き合うための基礎力ともなってきます。
「固着化した感情」のクリアリング
この次のステップとして、過去から蓄積して固着化した感情(感情の種)をクリアリングするプロセスがあります。
感情の種は、いわば排水溝にこびりついた汚れの様なもので、感情の渦を作り出したり、感情の波を増幅する要因となっています。
これをクリアリングしていくことで、ネガティブな感情の総量を減らしていくことが可能です。
この方法に関しては、下記をご参照ください。
人生が変わる感情のクリアリング: 感情のクリアリング方法についてシンプルに書いてあります
感情の取扱説明書: 感情のクリアリングの詳細に加え、心全体についても書いてあります
感情カウンセリング・トレーニングコース: 感情のクリアリング方法について、対面でしか伝えられない、より本質的で洗練された方法を学べます
意識の粒(自意識)を使って感じる
今回はその触りとして、意識の粒(自意識)を使う方法について書いてみたいと思います。
感情は胸の辺りに海のように存在しているイメージで、感情がそこから上に波のようにあふれてくると、感情に呑み込まれます。
そんな時、意識の粒を使うと、感情があふれるのを抑え、感情に飲み込まれるのを防ぐことが可能です。
①まず、意識の粒を、頭の中にイメージします
②そこから、少しづつ下げ、首の付け根辺り(感情の海の表面(海面)付近)に下ろします
③そこで意識の粒を維持し、感情があふれてくる分(表面の波)を感じ続けます
そうすることで、感情があふれるのを抑え、感情に飲み込まれるのを抑える、という対症療法が可能です。
深い感情や、過去から蓄積して固着化した感情(感情の種)をクリアリングするには、この意識の粒をさらに下げ、胸の中(感情の海の中(海中))に入れ、そこでクリアリングを行います。
(この方法についての詳細は、上記の書籍、トレーニングをご参照ください)
「感情の発生源」のクリアリング
ところで、そもそも感情は、どこから発生しているのでしょう?
感情の発生源の種類
感情の発生源には、以下の様なものが挙げられます。
観念: 感情の表面(外側)から波を起こす
- 観念・・・固定観念、信念、強い思い込みなどの、信じきっていること。
心: 感情の底(内側)から波を起こす
- トラウマ・・・過去の「心の傷」や「満たされなかった想い」
- エゴ・・・自己防衛本能
- 本質的自己(魂)・・・喜びの発生源。大きく震えると、感動、感謝を発生させる。
これらの発生源が反応すると、感情を揺らし、感情の波が発生します。
感情の発生源のクリアリング方法
逆に言うと、これらの発生源をクリアリングすることで、不安や怖れなどのネガティブな感情の発生を減らしていくことが可能です。
*具体的なクリアリング方法については、以下の記事をご参照ください。
・観念 → ネガティブな(不要な)観念をゆるめ、手放し、制限を外す
・トラウマ → 心の傷(バーストラウマ・インナーチャイルド)に気づき、癒す
・エゴ → エゴ(自己防衛本能)をゆるめ、手放し、自分の枠を広げる
関連記事
理解編
1. 自己成長について
2. ネガティブな(不要な)観念をゆるめ、手放し、制限を外す(初級)
3. 感情を知覚して、感じつくし(感じ切り)、クリアリングする(初級)
4. 心の傷(バーストラウマ・インナーチャイルド)に気づき、癒す(中級)
5. エゴ(自己防衛本能)をゆるめ、手放し、自分の枠を広げる(上級)
実践編
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